【崩壊小説】ショーパンの裾ミシンでまつり縫いしたら精神がお祭り騒ぎになった話

こんにちは。ぷにんたです。

数年前GUで買った黒のショートパンツ。履いているうちに右足の裾がほどけビラビラになってしまった。それから2年の月日が経ち、遂にミシンで右足の修復を試みることにした。

貴方は『まつり縫い』を

知っているだろうか。

このまつり縫いによって私の人生の1日をこれ程までに狂わされることになるとは思いもしなかった。もうブログ殴り書きしてます。

まつり縫いで狂った精神

壊れてしまったショートパンツの裾。

私が人生を共にしてきたこのショートパンツに足を通さなくなって丸2年経つ。元気だったか?と声を掛けるも左足にダメージを負った彼にはもう返事をする力が残っていなかった。

そうだ、コイツの寿命をなんとか伸ばして上げなきゃ。私はそう思うや否やおもむろにウォークインクローゼットへ向かった。封印していた力を遂に使う時が来たようだ。

クローゼットから取り出したもの、それはミシン。ミシンしかないよね。ミシン自身も覚悟してたと思う。7年振りですねって。

ミシンでコイツの傷を縫えば助かるかもしれない….いや、私の私服の在庫数的に助かる。この間ウォークインクローゼットの中を一掃しようと思って、いらない服まとめたの。服にすら感情を抱かないニートの私は強かった。瞳孔がビクともしないって医者は焦りを隠しきれないだろうね。お陰でランニングインできる程広々としたクローゼットになった。匠も驚いてる。

ニートになって太ったお陰でとりあえず殆ど服入らなくなったし、もうそんなに服いらなくて買取王国に行ったんだけどダンボール4つ分全て買い取ってくれた。え、国やってける?って心配になるレベルでこれ店で売れないだろうってくらい汚ったない服まで買い取ってくれた。そしたら服なくなったよね。後先のこと考えてなかった。

流石に夏少ない私服の中から着回す自信はなかった。私はショーパンを履きこなす未来に、この少しの可能性に賭けた。が、久々にミシンを使う私にはぶち当たる壁が多すぎた。ミシンって糸2本使うんだよね….?

まず説明書を読むことから始めた。

もし治ったらさ、散歩にでも出かけよう?な?なんてショートパンツに話し掛けがら説明書と向き合う。

見つけた、これだ。

まつり縫いだった。

ミシン「布地の表面に目立たない縫い目を作る縫い方です。ズボンやスカートの裾の仕上げなどに使います」

右上の絵を見たらわかる。すごい。すごいよ。こんなジグザグに縫うってのになんで表面に縫い目が見えないの?まつり縫いすごいよ。けどさ、いやいや、どうなったらこんな縫い目になるんよわかりにくいな

自分の読解力を棚に上げてとにかく説明書を責め立てた。裾折って縫えばいいんでしょ?裾って折ってあるもんね知ってる。

早速まつり縫いやってみたかったけど、ぶっつけ本番する程腕に自信はない。もしかしたらショートパンツの右足が完全に縫われて閉じるレベルで私の腕に自信はない。あの羽生結弦ですらこの自信のなさだったら地区大会で敗れるレベル。そのくらいメンタルって大事で、失敗すればもう足をズボンから出すことさえ許さないし、今年の夏着回し切れなくて詰む。1着を着回しって、もはや回さないもんね。俺のターン。

あの、家に帰ってますか?体洗ってますか?ってね。慎重に縫わなければ外出する服がなくなり私のニート生活に拍車がかかる。

とりあえずの処置としてボロ雑巾みたいな作業着ズボンを使って裾を縫う練習することにした。

ミシンに紐を通すことに苦労をしながらも下準備を進める。ミシン使える兆しは見えてきた。

よし、やってみよう。早速ミシンを布に当ててスタートを押した。

ミシン「ヴゥゥンン  タンタンタンタンタンタンタンタンッッ」

ミシンはぐんぐん進む。待ってくれ、ちょ、速いって

スタートとストップを繰り返しながらなんとか裾1周終えた。もう本番のように練習した。吹部の部長かってくらい本番のように練習した。結構真っ直ぐ縫えてた。久々のミシンの割に結構作品には自信あった。

 

…..。

…..え?

うん、わかるよ、縫えてるよね。袖できたよね。

たださ、裏面もガッツリ縫い目見えてますけど、なんで?さっきさ、まつり縫いって縫い目見えないって言ったよね

ミシン「」

じゃあもう1回チャレンジしてみるけど、まじでやっちゃうよ?本気だしちゃうからね?

本気は出してみるもののまたまつり縫いの表面も縫い目がガッチリ見えた。リバーシブルじゃないんだよ。ドームのアリーナ席でさ〜双眼鏡使ったんだけど二宮近すぎたんだけど〜。いやいや、縫い目見えるよすごく。見えすぎちゃって。ミシンってこう、上手くやってくれるんじゃないの?

説明書をもう1回よく見てみた。

待てよ、折り方複雑過ぎやしないか?折った末にはみ出た5mm間を縫い、更に折り目部分スレスレを針で狙うという縫い方。まつり縫いのクエストレベル高すぎかよ、この装備じゃ挑めないよ。今ズボン履いてないよ。

要するにこういうことだろ?

ギザギザ縫っていって心電図でいう「ドクンッ」ってとこで折り目のテッペンギリギリを狙うと表面が美しく仕上がるらしい。

あぁ、だから表面の縫い目が点になるわけだ。点を作るために、折り目のギリギリを狙うんだよねうんうんわかる。

でもこれってさ、服作り続けて体が勝手に服作るようになるまで慣らさないとむずくない?裾作ってる人って工場でいうベテランのライン作業者みたいにすっごい慣れた手つきでやってんだろうね。裾作りが生き甲斐です。なんて言われたらさ。かなわないや。ニート負けたわ。

とりあえず万全な状態で挑むためにさっきガイド付きの布抑えに交換した。今はガイドに頼るしかない気がするからさ、よろしくね。

ガイド「宜しくお願いします」

さぁやってみよう。

あぁぁぁあああぁぁああああああ!!!!

もう縫うことすらできない体になっていた。いや、もうわからない。どうしたら

ゔぅぅぅあぁぁあぁぁああぁああああああ!!!!!

精神崩壊しそうだ。スレスレ狙ってるつもりでミシンの「ドクンッ」って時にギリギリ折り目テッペンに届きそうで届かなくて完成系が見えない。まつり縫いってこの世に存在するの?ガイドも頼りにならないしなんなんだよ。

ただ、有難いことにさっきのボロ雑巾とは違ってショートパンツには袖の折り目がある。なんとなくまつり縫いの仕組みはわかった。ガイドは少し折り目テッペン被るくらいに置かなかんね。もういいよ、本番やってみよ。

セット完了。

いってくるよ、お母さん。

もうありえんくらい遅い速度でゆっくりテッペン狙ってった。駅前に立ってるパントマイムの人が聞いてくるよね、そんな遅い動き出すのにどこの筋肉動かしてます?って。いや、ミシンだから。私はテッペン狙うだけ。

とにかくテッペン狙う。もうそこに集中すればいけることはわかった。テッペン狙うことに長けてるわ自分、今なら東京五輪も狙えるかもね。あー来年?金狙うわ。って。そのくらいテッペン狙ってった。もうハーフタイムなしでミシン進めた。

ねぇ、どう?裾できた?できたよね?もう大成功。テッペン狙ってっただけあったよ、だってこれ裾左右一緒。えーほんと?!生地黒だし全然糸目立たないまつり縫いすごーい!って女子会で盛り上がること間違いなし。これで夏、着こなしていける。

 

正直全てのテッペン狙えてたわけじゃなかった。ぽっかり穴空いてたけどちゃんと履けるよ。ほらショートパンツも喜んでる。ベストコンディション。

えー今シーズンはね、とりあえずズボン履くことに集中したいと思ってます

履いてみたんだけどさ、ウエスト閉まらなかった

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